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2023.10.08

白石剛史師    いつかわかる日が

創世記45章1〜8節
  聖書のみことば (新改訳聖書2017)   メッセージ  


今週のみことば
「神が私をあなたがたより先にお遣わしになったのは、あなたがたのために残りの者をこの地に残し、また、大いなる救いによって、あなたがたを生き延びさせるためだったのです。」
   
創世記45章7節

宣教「いつかわかる日に」

1.赦しの意味
  聖書には二つの意味での赦しが登場する。一つは創世記18章に初めて登場し、アブラ ハムがソドムの赦しをとりなす場面。これはイエスの十字架においてその極致が見られる 赦し方であり、神が人を赦す場合の赦し方と言える。もう一つは創世記45章と50章に登 場するヨセフと兄弟たちとの和解の場面。これは人が人を赦す場合にも適応できる。第一 の意味での赦しは次回に譲り、今回は第二の意味での赦しについて学ぶ。

2.和解
  ヤコブの子ヨセフが10人の兄たちにエジプトに売られ、大いなる苦労をしたことはよ く知られているが、彼が兄たちと和解できたのは何故だろうか。トラブルの原因を考えれ ば、父ヤコブの偏愛、ヨセフ自身の高慢、兄たち妬みと憎しみなど様々な要因が考えられ るが、和解の場面でヨセフはそれらを一切口にしない。

3.神が将来に備えて自分をエジプトに先に遣わした
  彼は過去の兄たちの悪行を忘れていないが、同時に自分や父の落ち度や非をも口にし ない。むしろ、彼は過去の悪い出来事から30年以上が経過する中で、過去に事実の持つ意 味が変わったことを告白する。すなわち、兄たちが自分を売り飛ばしたことは事実であり 悪であるが、そこに神が将来に備えて自分をエジプトに先に遣わしたという新しい意味を 発見したのである。

4.赦しは前向きのわざ
  過去の事実そのものに対して人間は無力であるが、それが持つ意味に対しては無力で はない。赦しとは、過去を水に流すことでも、誰か一人の責任を追求することでも、感情 の整理をつけることでもなく、過去の事実が持つ意味が転換することへの期待の宣言であ る。赦しは過去の事柄を取り扱うわざでありながら、後ろ向きではなく前向きのわざなの である。

5.神様の視点を忘れないでいたい
  そして、それは私が私自身に対して行う宣言であり、相手に理解を求めるものではな い。「私は過去の意味に執着するのをやめ、これからの意味の転換にだけ目を向けて行く ぞ」と決心するものである。 神が私たちを見る目も、常に「これから」の視点である。私たちの過去を否定したり 、水に流したり、忘れてしまうのではなく、また過去の償いや清算を私たち自身で成し遂 げることを求めるのでもなく、過去の多くの罪の意味がこれからどう変わって行くかを期 待してくださる神様の視点を忘れないでいたい。
参照聖句