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2023.11.12

白石剛史師     一人の義人ゆえに

創世記18章20〜33節
聖書のみことば (新改訳聖書2017)   メッセージ  


今週のみことば
「すなわち、ちょうど一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたのと同様に、一人の従順によって多くの人が義人とされるのです。」
  ローマ人への手紙 5章19節

宣教 「一人の義人ゆえに」  
創世記18章20-33節

前回は「意味転換期待型」の赦しについて学んだが、今回は聖書が教えるもう一つの「赦し」について創世記18章の箇所から学びたい。

1.創世記18章に見られる赦し…アブラハムのとりなしに対して、神はそこに10人の正しい人がいればソドム全体を赦そうと言われたが、その真意は「一人でも義人がいれば」(エレミヤ5:1)というものだった。そして聖書は、イエスこそその一人の義人だと語る(ローマ5:19)。

2.「一人の義人ゆえに」が抱える倫理的課題…ある人の罪の代価を他者に支払わせるのは倫理に反すると思われるが、それが正当なのは契約概念が背景にあるからである。契約関係にある法人に属する者が契約相手に対して損害を与えたような場合、法人の代表役員が謝罪し弁済すれば罪を犯した本人は刑罰を免除されるように、第一のアダム(人類の代表)が神に背いたゆえに、第二のアダム(イエス:人類の代表)が代価を支払うことで人類は刑罰を免除されるのである。

3.「一人の義人」における「義」とは何か…聖書が語る契約は次の三つの特徴を持つ。
  @契約は神の主導権によって結ばれる。
  A契約は命の一体性を意味する。
  B契約を破ることは死を意味する。 つまり、聖書が語る「契約」とは条文や文書のことではなく、いのちの絆のことなのである。その意味で「義」とは神との正しい関係のことである。

4.「一人の義人ゆえの赦し」とは…愛する者がその愛を裏切った時、裏切られた人は愛する者をどう扱うか。それが神による赦しの前提である。神と人とが本来は麗しい愛の関係にあったのに、人がそれを裏切った。その裏切り者の私たちに対し、神は法律的解決を十字架によって成し遂げ、神との正しい関係に帰り、いのちを回復するようにと招かれる。その招きに応じ、神との本来あるべき関係を回復しようではないか。それこそが聖書の語る赦しの成立なのだから。

 

参照聖句
エレミヤ5:1
5:1 「エルサレムの通りを行き巡り、さあ、見て知るがよい。その広場を探し回って、もしも、だれか公正を行う、真実を求める者を見つけたなら、わたしはエルサレムを赦そう。

ローマ5:19
5:19 すなわち、ちょうど一人の人の不従順によって多くの人が罪人とされたのと同様に、一人の従順によって多くの人が義人とされるのです。