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2023年度   礼拝メッセージ
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聖書箇所

2023.12.10

白石剛史師    どんな人にも

マタイによる福音書1章1〜16節
聖書のみことば (新改訳聖書2017)   メッセージ  


「ヤコブがマリアの夫ヨセフを生んだ。キリストと呼ばれるイエスは、このマリアからお生まれになった。」                
マタイの福音書1章16節


白石剛史師


礼拝説教梗概 (2023年12月10日)
マタイ福音書1章1-16節 「どんな人にも」

 アドベントに当たり、新約聖書冒頭のイエス・キリストの系図から学びたい。「アプ ラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図」 と始まるこの系図は、救い主イエ スの由緒正しさを誇示するかのようであるが、実はそうではない。それはこの系図に 次の四つの特徴があるからである。
  1) 女性の名の記載・・・ここにはタマル、ラハブ、ルツ、ウリヤの妻という女性の名が 登場する。男性中心社会のイスラエルにおいて、系図に女性の名が記されることは通 常あり得ないのだが、マタイは敢えて4人の女性の名を記している。女性も神様の目 から決して濡れてはいないこと、いや、女性がいたからこそメシア (キリスト)は生 まれ得たのだということが意識させられる。
  2) 曰く付きの女性たち・・・しかもその4人の女性は、イスラエル社会の通常の価値観 からすると、皆「問題児」 と言えるような人たちである。タマルは義父との近親相姦 で子を残した人物。ラハブは遊女。ルツはモアブ人 (異邦人)。ウリヤの妻(パテ・シ エバ)はダビデと不倫を行った人物である。イエス様は決してサラブレッドではない ことを明らかにするのがこの系図である。
  3) バビロン捕囚をもたらした悪王たち・・・この系図はダビデ以降、バビロン捕囚を節 目として 14 代ずつに区切られるように編纂されているが、そのバビロン捕囚が起こ ったのは、ここに記録される悪王たちの所業に対する神の裁きであると言える。いか に汚れた人物の末裔としてイエスは誕生したのか。その赤裸々さに驚かされるばかり である。
  4) 名前さえ知られていない王の羅列・・この系図の最後部分になると、旧約聖書にそ の名前さえ登場せず、どこの誰かわからない人物ばかりとなる。そして、最後のヨセ フは大工だったのであり、とても王家の系図とは見えなくなる。その意味でこの系図 はダビデ王家がいかに落ちぶれたかを示すとさえ言える。 以上の特徴を見る時、この系図からは二つのことが覚えさせられる。
   1) 人の血筋が救い主キリストを誕生させるわけではない。救いは神ご自身の熱心に よって与えられるものである。
   2) 救いから漏れる人は一人もいない。異邦人であろうが罪を犯した者であろうが、 キリスト誕生を妨げることのできる人はいない。神はどんな人を通しても、どんな人 に対しても、アブラハムの子にしようとする愛を持っておられるのである。

マタイによる福音書 1章 1〜16節

1:1 アブラハムの子、ダビデの子、イエス・キリストの系図。
1:2 アブラハムがイサクを生み、イサクがヤコブを生み、ヤコブがユダとその兄弟たちを生み、
1:3 ユダがタマルによってペレツとゼラフを生み、ペレツがヘツロンを生み、ヘツロンがアラムを生み、
1:4 アラムがアミナダブを生み、アミナダブがナフションを生み、ナフションがサルマを生み、
1:5 サルマがラハブによってボアズを生み、ボアズがルツによってオベデを生み、オベデがエッサイを生み、
1:6 エッサイがダビデ王を生んだ。ダビデがウリヤの妻によってソロモンを生み、
1:7 ソロモンがレハブアムを生み、レハブアムがアビヤを生み、アビヤがアサを生み、
1:8 アサがヨシャファテを生み、ヨシャファテがヨラムを生み、ヨラムがウジヤを生み、
1:9 ウジヤがヨタムを生み、ヨタムがアハズを生み、アハズがヒゼキヤを生み、
1:10 ヒゼキヤがマナセを生み、マナセがアモンを生み、アモンがヨシヤを生み、
1:11 バビロン捕囚のころ、ヨシヤがエコンヤとその兄弟たちを生んだ。
1:12 バビロン捕囚の後、エコンヤがシェアルティエルを生み、シェアルティエルがゼルバベルを生み、
1:13 ゼルバベルがアビウデを生み、アビウデがエルヤキムを生み、エルヤキムがアゾルを生み、
1:14 アゾルがツァドクを生み、ツァドクがアキムを生み、アキムがエリウデを生み、
1:15 エリウデがエレアザルを生み、エレアザルがマタンを生み、マタンがヤコブを生み、
1:16 ヤコブがマリアの夫ヨセフを生んだ。キリストと呼ばれるイエスは、このマリアからお生まれになった。

引用聖句