コリント人への手紙第二3章1〜11節
推薦状はあなたがた
(1)福音によって変えられた人々こそ「推薦状」
パウロ以前クリスチャンを迫害する人だったが、今は主イエスの弟子であり、使徒である。だがそれを信じない人たちもいた。そのことを証明するためにパウロは推薦状を必要としていた。
パウロにとって、その推薦状はパウロ自身が伝道してクリスチャンになった人々そのものの姿だった。彼らはイエスの福音を信じることによって、喜びと希望に満ちた生活に変えられた。だが、人々が変えられたのはパウロの力によってではない。パウロを通して働いた神の御霊の力によってであった。それは旧約聖書の預言者エゼキエルが、「わたしは彼らに一つの心を与え、あなたがたのうちに新しい霊を与える。わたしは彼らのからだから石の心を取り除き、彼らに肉の心を与える」とエゼキエルが語ったとおりだった(エゼキエル書1:19)。神に対して固い心が柔らかくされて、内側から変えられていた人たちの生き様、それこそがパウロが本物の伝道者であることの推薦状である。
(2)福音によって変えられた人々の光栄ある務め
聖書には旧約(古い契約)と新約(新しい契約)と二つの契約がある。古い契約とはシナイ山でなされた神とイスラエルの民との契約である。石の上に刻まれた十戒のことばに沿って生きることである。それは人が本当に幸せで平和な生きるためのものだった。しかし人は十戒を完全に守ることはできない。そのために神はレビ記に記されているような罪の赦しのための動物の犠牲による儀式を用意された。しかし、それは来るべき救い主による完全な罪の赦しを指し示すための道を示すものだった。そして、神の御子イエスが来られ、私たちの罪の完全な赦しを実現してくださった。このお方を信じるものは、永遠のいのちをくださるという新しい契約を私たちはいただいた。その新しい契約は聖霊の働きによって、私たちの心に刻まれる。キリストを信じたことにより、神に受け入れられ、神の子どもとされ、罪赦され、新しい人にされているという内容の契約である。
パウロは、そのようなキリストの福音を伝える務め、人を永遠のいのちに導くと言う務めの素晴らしさ、「栄光」の大きさはいかばかりか、と叫んでいる。
現代に生きる私たちにもその栄光の福音が委ねられている。人々が神とともに生きる道を可能にする御霊に仕える務めをいただいている。そのためにも、私たちそれぞれの生き方ががこの福音の推薦状となることを目指したい。