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「心とその奥にあるものを試す主」エレミヤ書11章18節〜12章6節
序
パリオリンピックに参加したウクライナの選手が「21世紀にこんな戦争が起こるなんて」と語った。 民主主義や平和などの理想を捨てて、自国の利益と繁栄だけを追求する大国の現実。
「祈るしかない」という言葉から、祈ることへの無力感が伝わる。 エレミヤ書には窮地に立つエレミヤの祈りが点在している。 エレミヤ書11章18~12章6節以外にも、15章10~21節、17章14節~18節、18章1
8~23節、20章7~13節、14~18節に、エレミヤの告白と祈りがある。
1.「祈ってはならない」
神のみを神とし、愛すること。十戒に込められた民の神との誓約を破るイスラエル。 結婚の原点となっている神と民との誓約が破られるところには、神の悲しみと怒りがある。
エレミヤは神の悲しみを共有しつつもなお祈る。
2. 救いを求める祈りの要素
・神への呼びかけ ・苦難を述べる ・信頼の告白 ・神への賛美 ・願い
苦難の淵から神を見上げ、神を呼び、賛美し、信頼を表し、救いを願い求める祈り。
3. エレミヤ書11章18節~12章6節 苦難の中からのエレミヤの祈り
・神への呼びかけ
「正しいさばきをし、心とその奥にあるものを試す万軍の主よ」 (11:20)
・苦難の訴え
「それでも、私はさばきについて あなたにお聞きしたいのです。 なぜ、悪者の道が栄え、みな安らかなのですか。」 (12:1)
・嘆き (エレ12:4)
「いつまで、この地は喪に服し、すべての畑の青草は枯れているのでしょうか。 そこに住むものたちの悪のために家畜も鳥も取り去られています。 人々は「神はわれわれの最期を見ない」と言っています。
・神への信頼
「主よ。私があなたと論じても、あなたのほうが正しいのです。」(12:1) 「主よ。あなたは私を知り、私を見て、あなたに対する私の心を試されます。」(12:3)
・さばきを神にゆだねる
「どうか彼らを、屠られる羊のように引きずり出し、殺戮の日のために取り分けてください」(12:3)

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大和昌平師
心とその奥にあるものを試す主 (エレミヤ書11章18節〜12章6節)
11:18 「主が私に知らせてくださったので、私はそれを知りました。それからあなたは、彼らのわざを私に見せてくださいました。
11:19 私は、屠り場に引かれて行く、おとなしい子羊のようでした。彼らが私に敵対して計略をめぐらしていたことを、私は知りませんでした。『木を実とともに滅ぼそう。彼を生ける者の地から断って、その名が二度と思い出されないようにしよう』と。
11:20 しかし、正しいさばきをし、心とその奥にあるものを試す万軍の主よ。あなたが彼らに復讐するのを私は見るでしょう。私があなたに、私の訴えを打ち明けたからです。」
11:21 それゆえ、主はアナトテの人々について、こう言われる。「彼らはあなたのいのちを狙い、『主の名によって預言するな。われわれの手にかかって、あなたが死なないように』と言っている。
11:22 それゆえ──万軍の主はこう言われる──見よ、わたしは彼らを罰する。若い男は剣で死に、彼らの息子、娘は飢えで死に、
11:23 彼らには残る者がいなくなる。わたしがアナトテの人々にわざわいを下し、刑罰の年をもたらすからだ。」
12:1 「主よ。私があなたと論じても、あなたのほうが正しいのです。それでも、私はさばきについてあなたにお聞きしたいのです。なぜ、悪者の道が栄え、裏切りを働く者がみな安らかなのですか。
12:2 あなたが彼らを植え、彼らは根を張り、伸びて実を結びました。あなたは、彼らの口には近いのですが、彼らの心の奥からは遠く離れておられます。
12:3 主よ。あなたは私を知り、私を見て、あなたに対する私の心を試されます。どうか彼らを、屠られる羊のように引きずり出し、殺戮の日のために取り分けてください。
12:4 いつまで、この地は喪に服し、すべての畑の青草は枯れているのでしょうか。そこに住む者たちの悪のために、家畜も鳥も取り去られています。人々は『神はわれわれの最期を見ない』と言っています。」
12:5 「あなたは徒歩の者と競走して疲れるのに、どうして馬と走り競うことができるだろうか。平穏な地で安心して過ごしているのに、どうしてヨルダンの密林で過ごせるだろうか。
12:6 あなたの兄弟や、父の家の者さえ、彼らさえ、あなたを裏切り、彼らでさえ、あなたのうしろから大声で叫ぶ。だから彼らがあなたに親切そうに語りかけても、彼らを信じてはならない。
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