石の水かめ
随想へ 随想へ追い出されたアブラハムへ

 石屋さんの前に、大きな石が転がっています。大きな石は、なにかに役立ちたいと思っていました。
 ある日、石屋さんが、大きな石の上に乗って、ノミと、金槌を使って、石を彫り始めました。
 こつん、こつん、大きな石の上に、ちいさな窪みが出来ました。
 次の日も、こつん、こつん、窪みは少しずつ大きくなりました。
 また次の日も、こつん、こつん、くぼみはだんだん大きくなりました。
 来る日も来る日も、こつん、こつん、窪みはもっと、もっと大きく深くなりました。
 窪みが、大きく、深くなった時、窪みはつるつるに磨かれました。
 大きな石の外側もつるつるに磨かれました。大きなつるつるの石の水かめになりました。石の水かめは、美味しい水が入れられるように願っていました。 ある春の日、カナの町で、結婚式がありました。何日も何日も続く結婚式でした、次から次に、大勢の人達がお祝いに来て下さいました。
 石の水かめは、そこの調理場の片隅に置かれていました。何かに役立ちたい気持ちでいっぱいでした。
 突然、辺りが騒がしくなりました。「大変だ!ぶどう酒が足りなくなった! 何とかしなければ。」調理をしている人達は、うろうろ、おろおろしていました。 「この人の言う事は何でもそのとおりにしてください。」と、お母さんが綺麗な声で言いました。
 その息子は、結婚式を手伝いに来た人に向かって、「この石の水かめに水をいっぱい入れてください。」
 石の水かめは、入り口から水が入ってくるのを、ジ〜〜ンと感じました。一杯、二杯、三杯、ついに首元までいっぱいに水が入りまいた。
 石の水かめは、「これから料理に使う水を、皆さんに差し上げる事が出来る。」と、心がわくわく、楽しくなりました。
 ところが、この水を、結婚式の世話している人のところに持って行って味見してもらうと、とっても美味しいぶどう酒に変わっていました。石の水かめも、水が美味しいぶどう酒に変わったことを感じていました。
 花婿も、花嫁もとっても喜びました。 結婚式にきた人達は、美味しいぶどう酒を飲んで、とっても良い気持で、満足しました。
 この石の水かめは、これからたびたびとっても美味しク、甘い御霊の汁をかめの中から出して、人々を幸せにしました。
 御霊の実は、愛、喜び、平和、寛容、慈愛、善意、忠実、柔和、節制です。